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血涙(下)

血涙(下)

北方 謙三

PHP研究所 / 2009-04-01

累計読者数3
平均ハイライト数 23.7件/人
推定読了時間 約4時間53分
star総合評価 64/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 47%

この本について

仕事でも家庭でも、どれだけ考えても「自分にできることなんて、結局こんな少しだけか…」と感じる場面ってありますよね。誰かの苦しみを前にしても、状況がどう動くかを前にしても、自分の力の小ささに立ち尽くすしかない。最近、そんな無力感を抱えたまま動けない人とよく話すのですが、そこで思い出したのが『血涙(下)』でした。 この巻に出てくる人たちは、ほとんど全員が「自分が選んだのか、生き延びてしまっただけなのか」の境目で揺れています。やれることなんて限られている。でも、その小ささが逆に“自分の位置を決める”ことになってしまう。研ぎ師として刃を整えるだけの役割しかできなかった従者や、亡霊になってまで兄弟と向き合おうとする者たち。彼らの姿を見ていると、行動の大きさよりも、「その場にどう立つか」の方がずっと重いんだと実感させられます。 もうひとつ、この巻の魅力は“血のつながり”よりも“選んだ関係”の方が、人を支える場面が多いこと。母だと思えなかった相手を母として受け入れたり、父子として育っていない者同士が、気づけば互いに思いを託していたり。関係性が揺れながらも形を持っていく感じが、読んでいて妙に現実に近いんです。誰を家族だと思うか、誰を仲間だと認めるかって、実は自分で選び直していくものなんだなと。 派手な成長物語ではなく、選んだわけでも拾ったわけでもない人生を、それでも引き受けて進む人の話が読みたい人に刺さります。自分の立場や役割に迷っている時ほど、この静かな重みが効いてきます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

敵味方に別れた男達の哀しみを描く慟哭の終章。
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