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楊令伝 十五 天穹の章 (集英社文庫)

楊令伝 十五 天穹の章 (集英社文庫)

北方謙三

集英社 / 2012-08-26

累計読者数3
平均ハイライト数 23.3件/人
推定読了時間 約4時間38分
star総合評価 65/100
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この本について

仕事でも人生でも、「正しいはずなのに、どこか踏ん切れない」と感じる時があります。周りから期待されていたり、役割が固まっていたり、もう後戻りできないところまで来てしまったような気がして、自分の本音を置き去りにしてしまう。今回の抜粋を読んでいると、そんな“揺れ”の中にいる人の気持ちに、ずっと寄り添ってくるんですよね。 この巻で印象的なのは、強いと思われている武将たちですら、臆病さや迷いを抱えたまま歩いていることが、はっきり描かれているところです。踏ん切りのつかない脚を抱えて、それでも前に出ようとする人。誇りを失いかけながらも、誰かとの対話で立ち直ろうとする人。あるいは、忠義や復讐に縛られすぎて、自分でも処理しきれない感情に押し潰されていく人。それぞれの揺れがあまりに人間的で、「迷っているのは自分だけじゃない」と素直に思えてくるんです。 もう一つ感じたのは、勝ち負けよりも、「どう生きたか」を静かに問われるような場面が多いことでした。たとえば、庇うように動いてしまう秦容の一瞬の揺らぎや、光だけをたよりに進もうとする花飛麟との会話。決して大げさではないのに、人の心がどう動くのかが伝わってきて、自分の中の小さな選択にも目を向けたくなる。物語なのに、現実の自分に返ってくる瞬間が多い巻でした。 強がりをやめたくてもやめられない人、役割の重さに押されて本音を隠してしまう人、そんな方にしみる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

新しい国の実現を賭けて、梁山泊軍は南宋軍と最後の闘いを続ける。宣賛は、自由市場を認めるよう金国と交渉を始めた。やがて自由市場は江南を席巻し、物流を握る梁山泊の勝利は目前と見えた。だが、百年に一度の大洪水が、梁山泊を襲う。数多(あまた)の同志の死を胸に秘め、楊令は吹毛剣を手に、敵将・岳飛の前に立つ。混迷の時代に、己の志を貫いた漢たちはどう生き、闘ったのか。楊令伝、夢幻の最終巻。
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