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楊令伝 九 遥光の章 (集英社文庫)

楊令伝 九 遥光の章 (集英社文庫)

北方謙三

集英社 / 2012-02-17

累計読者数7
平均ハイライト数 26.4件/人
推定読了時間 約4時間53分
star総合評価 69/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 47%

この本について

最近、仕事でも生活でも「自分ひとりでなんとかしよう」と踏ん張りすぎて、逆に視野が狭くなっている人、多い気がします。がんばっているのに空回りしているような感覚とか、周りを信じきれないまま突っ走ってしまう感じとか、僕自身もしょっちゅうあります。 『楊令伝 九』の抜粋を並べて読むと、そんな行き詰まりに風穴があく瞬間がいくつもあって、読者がそこに強く反応しているのがわかります。たとえば、林冲や史進が「風になる」ように、余計な思考をそぎ落としてただ役目を果たす場面。あるいは、楊令が「心を同志に預けていた」と言うように、自分の全部を抱え込まずに託す姿勢。さらに、伯父を超えられない苦さや、惚れた相手を失った痛みを抱えながらも、「ちゃんと生きたら、ちゃんと死ねる」と言い切る祖永の潔さ。どれも強がりじゃなく、人の弱さを前提にした踏ん張り方なんですよね。 読みながら思ったのは、目的よりも「どう立つか」の方が先に問われる場面が人生には多いということです。やりすぎてしまう隊長が指摘されるシーンなんて、まさに自分を見ているようでした。気持ちの整理がつかないと、正しい判断すら歪む。だからこそ、彼らのように仲間の存在や役割に身を預ける感覚は、物語でありながら現実にもそのまま効いてくるところがあります。 物事を力技で突破しようとして疲れてしまった人にこそ、静かに刺さる巻だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

歴戦の同志を失いながらも、梁山泊軍は、童貫軍と全軍あげてのぶつかり合いを続けている。乱戦の中、戦場の中央に陣取る郭盛軍は少しずつ前進を始めた。童貫は『幻』の旗に向かい、岳飛は楊令軍を止めるべく疾駆する。一方、金軍は宋領深く南下し、青蓮寺は北の大商人たちの財産接収を始めていた。歴史が大きく動こうとするなか、ついに楊令と童貫とが戦場で邂逅する。楊令伝、圧巻の第九巻。
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