
水滸伝 四 道蛇の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2007-01-19
この本について
仕事でも人間関係でも、「上から押さえつけられている気がするけど、本当の原因がどこにあるのかよくわからない」という時があります。反発心だけはあるのに、動き方はつかめない。誰かを理解したいのに、結局自分のことで精一杯だったりもする。そういうモヤモヤを抱えている時に、北方版『水滸伝』の人物たちは、妙に現実味のある視点をくれるんですよね。 この巻で刺さるのは、まず「何に押さえつけられているのか、自分で見ようとしていなかった」という気づきです。外の圧力と、自分が勝手に思い込んでいる枠がごちゃ混ぜになっている感じは、現代の仕事でもよくあると思います。それに加えて、「志は、志のままでは意味がない」というやりとりも重い。立派な旗を掲げるより、どんな形であれ実現に向けて動くことのほうが難しく、それでもやらないと変わらない。さらに、宋江や雷横のように、迷いや弱さを抱えた人物が、それでも前に出る姿を見ると、強さってこういう質感なのかと少し落ちつきます。 登場人物たちの関係にも救われます。仲間同士でも、互いの弱さや苦しみをまっすぐ受け止めきれない場面が多いのに、それでもつながり続ける。その不器用さに、自分の生活の縮図を見ているような感覚がありました。大きな声で前向きになれと言うのではなく、「迷ったままでも一歩進めるよ」と隣でつぶやいてくれるような物語です。 とくに、弱さを抱えたまま動く理由を探している人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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