
楊令伝 十三 青冥の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2012-06-30
累計読者数3
平均ハイライト数 21.7件/人
推定読了時間 約4時間46分
star総合評価 64/100
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この本について
仕事でも人生でも、「全部わかっていなきゃいけない」「上に立つなら迷ってはいけない」と思うほど、逆に動けなくなることがあります。知ろうとしても限界があるし、責任を背負おうとすると自尊心が邪魔をする。そんな時に、楊令伝の登場人物たちの“迷いながら決めていく姿”が、妙に現実に重なるんですよね。 公孫勝が「知らないことを、すべて知ろうとするのをやめた」と言う場面や、岳飛が「自分がすべてを決めねば」と思い込み、部下を追い詰めてしまうくだりは、管理職の経験がある人なら一度は感じたことがあるはずです。完璧じゃないまま、それでも次の一手を選ばなければならない。それをこの物語は、派手さよりも“重さ”として描き切っています。 個人的に効いたのは、自分の凡庸さや限界と向き合いながら、それでも立場が人を作っていくという視点でした。力量が足りないから引くのではなく、「やるべきことをひとつずつ積むしかない」という、ごまかしのない感覚。強さではなく、持ち場をどう生きるかに重心が置かれているのが救いになります。 組織で責任を抱えがちな人、決断のたびに「自分でいいのか」と立ち止まってしまう人には、静かに刺さる巻だと思います。
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出版社による紹介
楊令率いる梁山泊は北京大名府を占領し、自由市場を開く。だが、同志の中からは、天下を取るべきだという声も上がり始めていた。金国の傀儡国家・斉は、扈成が宰相となり、都を開封府へと移して勢力を拡げる。北京大名府を離れた張俊は、扈成と結んで斉軍に加わった。一方、金国は、中原の岳飛を討つべく、蕭珪材軍を出動させた。蕭珪材は護国の剣を佩き、戦場へと向かう。楊令伝、相克の第十三巻。
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