
楊令伝 一 玄旗の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2011-06-30
累計読者数3
平均ハイライト数 19件/人
推定読了時間 約4時間42分
star総合評価 62/100
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この本について
仕事の判断で迷ったり、自分の弱さにイラついたり、誰にも見せたくない感情を抱えたまま日々を回していると、「強くなるって何なんだろう」と立ち止まる瞬間があると思います。楊令伝を読んでいて刺さるのは、まさにその“揺れたまま進む人間”が、戦の只中で淡々と描かれていくところです。 花飛麟が涙をこらえきれずに座り込む場面や、幻王が「俺をひとりにしてくれ」と言う場面は、強さを外側の成果で語らないんですよね。むしろ、弱さを否定しきれない時間のほうが長い。でも、そこで止まらないために、彼らは自分の過去や血のつながり、積み重ねてきた行動に静かに向き合っていく。読んでいると、「強いふりをしなくても前に進める時がある」という感覚が、じわっと残ります。 もうひとつ、この巻で印象的なのは、誰もが大義や戦略の前に“個人の痛み”を抱えていることが隠されていない点です。仲間を思う気持ちや、自分が背負ってきたものへの迷いが、ほんの一言ににじむ。だからこそ、花飛麟や幻王の選択が、派手じゃなくても説得力を持つ。大きな物語なのに、読み手の生活にも落とし込みやすいのは、このリアルさのせいだと思います。 自分の弱さを否定しきれず、それでも前に進む理由を探している人には、特に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
梁山泊陥落から三年。「替天行道」の旗を胸に秘めた同志たちは全土に散って、再起の秋を待っていた。史進、呼延灼、張清は叛徒として局地戦を続け、李俊は太湖の周りに船団を組織して威をはっていた。燕青率いる闇塩の道、戴宗率いる通信の網はいまだ健在。加えて、呉用は梁山泊の底から、軍資金となる銀塊をひきあげさせた。いっぽう、官の闇の組織、青蓮寺の梁山泊の残党狩りは熾烈を極めた。しかし、ついに、元梁山泊勢の希望の星、青面獣・楊志の遺児、楊令が、帰還した。
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