
繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史
マット・リドレー, 大田 直子, 鍛原 多惠子, and 柴田 裕之
早川書房 / 2013-07-15
この本について
仕事でも日常でも、変化に向き合うたびに「自分の判断はこれでいいのか」と不安になることがあります。特に世の中のニュースが暗い方向ばかりに振れた日は、先の見通しなんて立てようがない気にもなります。でも一方で、実際の世界はもっと複雑で、思っていたほど悪くないのでは…という感覚が抜粋を読んでいてよみがえりました。 『繁栄』は、希望を持てと言い切るタイプの本ではなく、「人間はどうやってここまで来たのか」を淡々と追いかける中で、ものの見え方が少し整っていく本です。アイデアが一つの天才から生まれるのではなく、複数の人のあいだで掛け合わさっていく現象だという話は、いま自分が抱えている停滞感を相対化してくれます。閉じこもると進歩が止まる、人間にはそもそも孤立したがる性質がある、といった指摘も、職場やチームで起こる小さな行き違いと地続きに感じられました。 さらに、交易や分業がどれだけ人類の時間を増やしてきたかを読むと、「効率化」という言葉の裏にある長い歴史が急にリアルになります。自分一人で全部抱え込むより、外とつながったほうが前に進める、という当たり前のことを思い出させてくれる本です。 世界の見え方を少し広げたい人、あるいは「合理的な楽観」という言葉にうっすら惹かれるけれど根拠がほしい人に刺さると思います。
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