
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
水野和夫
集英社 / 2014-03-19
この本について
最近、どれだけ働いても「前より暮らしがよくなっている感じがしない」とか、ニュースで景気が回復したと言われても自分の生活には跳ね返ってこない…そんな感覚を抱えている人、多いと思います。僕もずっとその理由がつかめずにいて、なんとなくモヤモヤしたまま働いていました。 この本は、その正体を歴史の流れの中で説明してくれます。たとえば、資本主義は本来「新しい空間」を見つけて利潤を生む仕組みなのに、もうどこにもその空間が残っていないこと。だから利子率が異常に低くなり、日本では長く超低金利が続いていること。それが企業の賃金より配当を優先する動きにつながり、中間層の没落につながっていること。ニュースでは断片的に見えていた出来事が、一つの線としてつながる感じがありました。 読んでいて特に刺さったのは、「成長教」にしがみつき続けるほど雇用が削られていく、という指摘です。自分が怠けているとか努力不足とか、そういう問題じゃない。構造の側に限界が来ている。そう理解できただけでも、無意味な自己責めが少し減りました。現実は急に変わらないけれど、今自分が立っている足場を冷静に見直す視点が手に入る本です。 今の働き方や将来にふと不安を感じる人、数字の裏側で何が起きているのか知りたい人に刺さると思います。
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