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レヴィナス入門 (ちくま新書)

レヴィナス入門 (ちくま新書)

熊野純彦

累計読者数8
平均ハイライト数 38.3件/人
推定読了時間 約4時間34分
star総合評価 75/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 46%

この本について

仕事でも生活でも、自分がいま引き受けている「現在」がやけに重く感じるときがあります。頑張っているつもりなのに手応えがなくて、ただ世界のなかに放り込まれているだけのような感覚。抜粋にある「世界が私とはなんのかかわりもなく、たんに存在する」というフレーズに反応した人は、おそらくこの重さに心当たりがあるのだと思います。 『レヴィナス入門』は、その重さを軽くするというより、まず「その感じ方自体に筋が通っている」と示してくれる本です。たとえば、疲労がただの消耗ではなく「存在における一存在者の浮上」だと言われると、しんどさに意味を貼りつけるのではなく、いま自分がどんなふうに世界と接しているのかが少し見えるようになります。また、世界を異郷として感じる感覚がノスタルジーの裏側にあると説明されるあたりは、帰属できなさや居心地の悪さを抱えたままでも前に進める余地を教えてくれます。さらに「他者」は理解や包摂の対象ではなく、そもそも包括できないものとしての別の存在だという視点は、人間関係の詰まり方を別角度から捉え直させてくれます。 レヴィナスの哲学は難解と言われますが、この本はその思考が生まれる場面まで丁寧にたどるので、概念よりも「なぜそう考えるのか」が腑に落ちやすいです。自分の感覚がどこから来ているのか少しでも知りたい人には、ゆっくり効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

フッサールとハイデガーに学びながらも、ユダヤの伝統を継承し、独特な他者論を展開した哲学者エマニュエル・レヴィナス。自己の収容所体験を通して、ハイデガーのいう「寛大で措しみない存在」などは、こうしたおそるべき現実の前では無化されてしまう、と批判した。人間は本当はどれだけわずかなものによって生きていけるのか、死や苦しみにまつわる切なさ、やりきれなさへの感受性が、じつは世界と生を結びつけているのではないか、といった現代における精神的課題を、レヴィナスに寄り添いながら考えていく、初の入門書。
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