
幻の光(新潮文庫)
宮本 輝
新潮社 / 1983-07-27
累計読者数4
平均ハイライト数 3件/人
推定読了時間 約1時間37分
star総合評価 30/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 21%
この本について
最近、人の感情に理由を求めすぎてしんどくなることがありませんか。自分でも説明できない疲れや虚しさを、言葉で整えられないまま抱えてしまう感じです。相手の行動が理解できないときも、どこに向ければいいか分からない怒りや悲しみだけが残ったりします。 『幻の光』を読んでいて、抜粋された場面からにじむのは、まさに「理由のない感情」とどう付き合うかの息苦しさでした。人が壊れていくときの気配をただ見つめるしかない苦さや、説明のつかない喪失に引きずられながら、それでも日常を続けていく姿が静かに積み重ねられていきます。特に、精を抜かれるような病の比喩は、うまく言葉にできない心の疲れをそのまま形にしたようで、自分の中にもこういうものがあると認められるだけで少し救われる気がしました。 この物語は前向きな答えを提示してくれるわけではないのに、登場人物が見つめる夜景や海のさざ波が、不思議と読んでいる側の呼吸を整えてくれます。感情に理屈を与えようとしなくていいこと、ただ「そういう状態の人間がいる」という事実に寄り添うだけで視界が変わることを、物語の流れの中で静かに教えてくれる一冊でした。 自分も誰かも、理由のない沈み方をするときがあると感じている人に、そっと届くと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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出版社による紹介
人は精がのうなると、死にとうなるもんじゃけ――祖母が、そして次に前夫が何故か突然、生への執着を捨てて闇の国へと去っていった悲しい記憶を胸奥に秘めたゆみ子。奥能登の板前の後妻として平穏な日々を過す成熟した女の情念の妖しさと、幸せと不幸せの狭間を生きてゆかねばならぬ人間の危うさとを描いた表題作のほか3編を収録。芥川賞受賞作「螢川」の著者会心の作品集。
目次
夜桜 ほか27編
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