
獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)
上橋菜穂子
講談社 / 2013-10-16
累計読者数5
平均ハイライト数 12.8件/人
推定読了時間 約4時間24分
star総合評価 60/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 67%
この本について
人づきあいでも仕事でも、「こうするしかないと頭では分かってるのに、心がついてこない」みたいな場面ってありますよね。自分の選んだ道に後悔はないはずなのに、どこか侘しさが残ったり、背負ってきた家や立場から抜けられなかったり。感情と現実の折り合いがつかないまま、ただ時間が経つのを待つしかない時期もあります。 『獣の奏者 外伝 刹那』は、そういう「正しさと気持ちのズレ」に敏感な人ほど染みる物語でした。人を好きになること、身を引くこと、幸せを選びとること。そのどれもが一筋縄ではいかず、登場人物たちは揺れながら、自分の立場や望みと向き合っていきます。たとえば、生まれた家の柵に気づく瞬間や、選ばなかった人生の影がふと胸をよぎる描写は、自分の過去の感情をそっと撫でられるようでした。また、誰かのそばにいるだけで呼吸が整う時間や、獣たちを前にすると余計な力が抜ける瞬間が描かれ、無理に前向きになるのではなく「今の自分でいい」とふっと思える余白があるのも、この外伝ならではだと思います。 生きていれば、選ばなかった道が燃え残った炭みたいに胸の底に沈むことがあります。この本はそれを無理に掘り返さず、そのまま抱えていくやり方をそっと示してくれる一冊でした。 こんな人に刺さると思います。過去の決断と今の自分が、いまだに同じ場所で仲良く座ってくれない。そんな感覚を知っている人へ。
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出版社による紹介
児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。
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