
時をかける少女 (角川文庫)
筒井 康隆、貞本 義行
角川書店 / 2007-04
この本について
日々の選択でふと立ち止まって、「あのとき別の道を選んでいたらどうなっていたんだろう」と考えてしまうこと、ありますよね。前に進みたい気持ちはあるのに、どこかで過去の匂いや景色に引っ張られてしまう感じ。意外と、そういう小さな引っかかりが長く尾を引くものだと思っています。 『時をかける少女』の抜粋を見ていると、ラベンダーの匂いや、植わっている風景の細部、夢想家という言葉に反応している方が多い気がします。たぶん「一瞬の感覚が、後の選択を変えてしまう不思議さ」に心が動いているのではないでしょうか。この物語は時間を超えるという派手な設定こそありますが、実際はもっと静かなところで効いてきます。たとえば、人は後から意味づけしたくなるけれど、その場の感情や匂いのほうがずっと本音に近いこと。あるいは、誰かとのすれ違いは大事件ではなく、ほんの数分のずれから起きてしまうこと。そういう気づきが、過去を悔やむより今の一歩を丁寧に選ぼうという視点に変えてくれます。 大げさに言えば「人生が変わる本」なのかもしれませんが、実際はもっと控えめで、ふとした場面で思い出せる小さな道しるべのような存在です。過去に戻れない現実を突きつけるのではなく、「戻れないからこそ、今見えているものを無視しないほうがいいよ」とそっと背中を押してくれる。そんな温度感の物語です。 こんな人に刺さると思います。昔の選択がずっと心のどこかに残っている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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