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よろこびの歌

よろこびの歌

宮下 奈都

累計読者数7
平均ハイライト数 7.7件/人
star総合評価 55/100
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この本について

仕事でも趣味でも、気づけば「もっと早く」「もっとちゃんと」やらなきゃと焦ってしまうことがあります。人より遅れている気がしたり、今の自分は仮の姿で、ほんとうのスタートはまだ先にあるような感覚にモヤモヤすることもあります。私自身、そうやって先回りした不安に振り回されることが多いです。 『よろこびの歌』を読んで印象的だったのは、登場人物たちがその焦りの正体を少しずつ手放していく過程でした。たとえば「早くなければいけないことなんて、ない」と気づく場面。あれは単なる自己肯定ではなくて、今の自分がすでに学んでいることを丁寧に見つめ直すプロセスなんですよね。あるいは、目指すものが肩書きやゴールではなく「よく生きること」だと気づく瞬間。ここに刺さる人はきっと、何かを達成しないと価値がないように感じてしまう自分と、そっと折り合いをつけたいと思っているはずです。 そして、もうひとつ胸に残るのは、努力の「初歩の初歩」のさらに手前に、大事なものが置き去りになっていたという気づき。これは大げさな逆転劇ではなく、日常のなかでふと立ち止まったときに見える景色に近いです。クラス全員の歌が束になって空へ上がっていくシーンも、人生の頂点は劇的に更新され続けるわけじゃなく、静かに訪れて、静かに過ぎていくものなんだと思わせてくれます。 こんな人に刺さると思います。一度くらい、自分の歩みが「余生みたいだ」と感じてしまったことがある人。この物語は、そんな自分にそっと呼吸を戻してくれるような一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

見えない未来に惑う少女達が歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を紡ぎだす。『羊と鋼の森』著者が贈る青春×音楽小説の傑作!
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