
星の王子さま
サン=テグジュペリ and 浅岡 夢二
平凡社 / 2006-01-01
この本について
大人になるほど、数字や実績みたいな“見えるもの”ばかり気にしてしまって、本当に大事なことがどこにあるのか見失うことってありませんか。人間関係でも、相手の言葉に振り回されて、行動のほうを見逃したりして、「あれ、自分は何を大切にしたかったんだっけ」と立ち止まる瞬間があると思います。僕もよくあります。 『星の王子さま』を読み返すと、その迷いをいったん静かにほどいてくれる感じがあるんですよね。たとえば、王子さまが出会う“大人たち”の場面は、自分の生活の中でも似たような堂々巡りをしていないか気づかせてくれます。所有すれば豊かになれると思い込む実業家や、恥ずかしさを紛らわすために酒を飲む酔っ払いの姿は、目的を忘れたまま行動だけが続いてしまう自分に重なることがある。そこで一度「この行動、何のためだったっけ」と問い直す余白が生まれます。 もう一つ大きかったのは、バラのエピソードです。言葉ではなく行動を見ること、時間をかけた分だけ相手が特別な存在になることは、人間関係にそのまま持ち帰れる視点でした。表面的な態度に惑わされて距離を置きたくなる時期こそ、相手や自分がどう動いてきたかを見つめ直すと、関係の輪郭がはっきりすることがあります。意外と忘れがちなんですが、これが効きます。 そして、「大切なものは目に見えない」という一文が、抽象的なようでいて、実生活では小さな態度や気配、沈黙の時間のほうが関係の質を左右するよね、と思い出させてくれます。焦って次に行こうとするより、すぐそばにある感情や小さな変化に目を向けるほうが前に進めることだってある。 仕事でも生活でも、数字や成果に寄りすぎて疲れている人にほど、この本は静かに効きます。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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