
CyclingEX 2014 春
CyclingEX
この本について
なんとなく日々のルーティンに流されていて、「外に出たい気持ちはあるのに、最初の一歩がとにかく重い」という時期ってありませんか。やれば気分が変わるのは分かっているのに、寒さとか面倒くささとか、言い訳みたいな要素が次から次へと出てきて、自分でも少し笑えてくるようなあの感じです。 『CyclingEX 2014 春』の、あの「真冬の片瀬東浜……寒い!」という場面を何度も保存している人は、きっとその感覚に少し触れたんだと思います。寒さに震えながらも、それでも海に向かってペダルを踏むあの描写には、「完璧じゃなくていいから、とりあえず外に出てみる」くらいの軽さがにじんでいます。この本のいいところは、気合いや根性を語るのではなく、実際に自転車で走るときの温度や空気の重さみたいな“身体で思い出す感覚”を淡々と見せてくれることです。読むだけで、自分も少しだけ外の空気を吸いたくなる。 もうひとつ効いてくるのは、自転車という道具を通して「季節に体を合わせていく感覚」が戻ってくるところです。冬の海に出る無謀さじゃなくて、「ああ、こういう日ってこういう匂いなんだよな」と思い出させてくれる。作り物じゃない時間の流れが、ページの向こうにちゃんとある。 こんな人に刺さると思います。最近、やりたいことはあるのに体が追いつかないな、と感じている人。難しい理屈は抜きにして、ただもう一度、自分の速度で外に出たい人に、さりげなく寄り添ってくれる本です。
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