
バカの人 その傾向と対策
和田秀樹
ゴマブックス株式会社 / 2014-08-08
この本について
人と関わるたびに「なんであの人はあんな行動をするんだろう」とか、「自分の受け取り方がおかしいのかも」とモヤモヤすること、けっこうあると思うんです。場を読まない人に振り回されたり、自己愛が強い人に妙に疲れたり、逆にこちらが空気を読めていなかったのでは…と後で不安になることもあります。日常の人間関係って、説明がつかないストレスのほうが多いですよね。 この本は、そういう“よくわからない負荷”にひとつひとつ説明をつけてくれる感じがあります。著者はあえて「バカ」と呼んでいますが、それは人格攻撃ではなく、社会でつまずきやすい“パターン”に名前をつけているだけ。例えば、相手の気持ちを逆撫でする人には心理学的なメカニズムがあることや、自己愛が満たされない人が他人を傷つけやすい理由など、感情の裏側にある構造を知ることで、こちらの受け止め方が少しラクになるんです。また、人に振り回されないために「相手の自己愛を満たす」という現実的な対処のヒントもあって、無理にいい人になる必要はなく、関わり方の選択肢が増える感覚がありました。 さらに刺さったのは、うまくいく人とつまずく人の差は“頭の良し悪し”ではなく、「明日が今日より少し賢くなれているか」という地味な積み重ねだという視点でした。極端な決めつけや、情報をそのまま信じてしまうクセがあると、どうしても再現性のある行動がとれない。逆に、成功体験を多角的に分析できる人は、凡庸に見えても着実に進んでいく。このあたり、自分にも思い当たるところがあって、読みながら何度も姿勢を正されました。 人間関係で疲れやすい人や、なぜか同じつまずきを繰り返してしまう人にとって、これは“相手を切り捨てる本”ではなく、“予測できるようにする本”という立ち位置だと思います。自分と他人の距離感を、少しだけ扱いやすくしてくれる一冊でした。
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