
老人と海 (光文社古典新訳文庫)
ヘミングウェイ and 小川 高義
文藝春秋 / 202505
累計読者数30
平均ハイライト数 4.1件/人
推定読了時間 約1時間29分
star総合評価 48/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 25%
この本について
最近、うまくいかない日が続くと「なんで自分ばっかり」とか「頑張ってるはずなのに報われないな」と、つい弱音がよぎります。踏ん張りどころだとわかっていても、気持ちだけ先に折れそうになるあの感じ。そんなときに読み返したのが『老人と海』でした。 この物語の老人は、弱気になりつつも「いや、そうじゃない」と何度も自分を立て直します。途中でだめにならないと言い聞かせたり、道具を置きっぱなしにしないように細部だけは保とうとしたり、淡々と現実的な判断を積み重ねていく。その小さな「姿勢」の積み重ねが、読み手のこちら側にもじわっと効いてくるんです。大物を追いかけるときの描写も、派手な勝負というより、体力も誇りも削られながら、それでも手を離さない人の姿がずっと続く。諦めそうな瞬間の手触りがやけにリアルで、「ああ、自分もこういう粘り方ならできるかも」と思えてきます。 さらに印象的なのは、老人が海を女のように扱い、愚痴をこぼしながらもどこか距離の取り方を知っているところ。コントロールできないものとの付き合いかたを、頑張りすぎず、投げやりにもならず、静かに続けていく関係として描いているのが、今の働き方や人間関係にそのまま重なる気がします。 派手な勇気を求めている人より、静かに踏ん張る感覚を取り戻したい人に刺さる本です。
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出版社による紹介
巨匠の遺した永遠の名作——画期的新訳 ※本コンテンツは文春文庫『老人と海/殺し屋』(2025年1月4日刊行)のために訳し下ろされたもののうち、「老人と海」のみを収録しています。 老漁師はひとり、海に漕ぎ出した。やがて一匹の大魚が針にかかり、大海原での孤独な戦いがはじまる——。ノーベル文学賞受賞作家の不朽の名作の画期的新訳。 あの魚を殺したのは自分が生きるためだとか、売りつけて儲けるためだとか、そんな話じゃないんだ。俺があいつを殺ったのは矜持からであり、俺が漁師だからだ。俺はあいつが好きだった、奴が生きていた時も、そのあとも。(本文より)
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