
神曲 地獄篇 (河出文庫)
ダンテ・アリギエーリ and 平川祐弘
河出書房新社 / 2008-11-06
この本について
日々やるべきことに追われながら、「自分は何を基準に選んで生きているんだろう」と立ち止まる瞬間ってありますよね。正しさにも善悪にも自信が持てないまま流されていく感じ。そんなモヤモヤの最中で『神曲 地獄篇』を読むと、まるで別の角度から自分の輪郭を照らされるような感覚がありました。 この本の面白さは、地獄の描写そのものよりも、「人間がどこで判断を誤るのか」を徹底的に見せつけてくるところです。例えば、名前や個への執着がどこから生まれたのかという説明に、現代の承認の悩みが重なったり、善でも悪でもなく「自分のためだけに存在した者」が最も救われないという場面に、曖昧なまま選ばずに生きることの重さを感じたりします。地獄の亡者が何度焼けても元の姿に戻る描写を読むと、逃げた問題が結局また形を変えて自分の前に戻ってくる、あの苦い実感と似たものがよぎるんです。 さらに、中世の価値観がそのまま断罪の基準となっていることで、「自分はいま、どんな時代のどんな基準に縛られているのか」を考えさせられるのも大きいです。見方を変えれば、ダンテの旅は世界観に飲み込まれた人間が一度原点に戻り、もう一度考え直すプロセスそのものでもあります。 自分の判断軸が揺れている人、曖昧に流されている感覚にうっすら疲れている人には、意外な形で効いてくる本だと思います。地獄という極端な舞台なのに、読んでいるうちに現実の選択の話に戻ってくるところが、この一冊の妙です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





