
『世界の童話全集・41作品⇒1冊』
グリム兄弟, アンデルセン, アミーチス, ウィーダ, レフ・トルストイ, 新美 南吉, 小川 未明, and 宮沢 賢治
三和書籍 / 20250525
この本について
日々の仕事や生活の中で、自分の感覚が少し鈍ってきたな、と感じることがありませんか。言葉を丁寧に味わう余裕がなくなったり、気づけば決まりきった景色の中だけで判断してしまったり。僕もそういう時期が続いたときに、妙に古い物語の断片が心に残ることがあって、「あれ、なんでこの言葉だけ覚えてるんだろう」と首をかしげました。 『世界の童話全集・41作品⇒1冊』を読んだとき、まさにその感覚が呼び戻されました。杜松や肉桂みたいに、日常ではあまり触れない言葉が静かに立ち上がってきて、子どもの頃に読んだ物語の匂いや温度を思い出させてくれるんです。堅信礼や胸算用のように、意味は知っていても実際にはほとんど使わない言葉が物語の中で息をしているのを見ると、自分の中に眠っていた感性が軽く揺さぶられる感じがありました。読みながら「そういえば、前はこういう細部にちゃんと反応できてたよな」と思い出させてくれるのが、この本のささやかな効き目です。 さらに、アンデルセンやグリムのような“昔知っていたはずの話”でも、読み返すと意外な登場人物の独白や、子どもが母親の言葉をどう受け止めたかといった細部が妙に現実的に刺さります。華やかな教訓があるわけじゃないのに、「ああ、こういう気持ち、今の自分にもあるな」と思える瞬間が何度かありました。物語というより、人の感情の手触りをゆっくり思い出す読書に近いです。 昔話に懐かしさ以上の何かを求めている人や、最近ちょっと感覚が平板になってきた気がする人には、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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