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ツナグ

ツナグ

辻村深月

新潮社 / 2012-09-01

累計読者数7
平均ハイライト数 57.9件/人
推定読了時間 約4時間46分
star総合評価 77/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 57%

この本について

人間関係で、自分でも扱いきれない気持ちが湧く瞬間ってありますよね。相手をうらやんだり、勝手に比較して落ち込んだり、善意のつもりで言ったことが後から胸の奥で重しになることもある。誰かを大事に思っているはずなのに、同時に「私の居場所はどこなんだろう」と不安になることもあって、そんな揺れをごまかせない日が続くこともあります。 『ツナグ』は、そういう“自分でも認めたくない感情”をそのまま物語として置いてくれる本でした。読者が保存していた抜粋を見ても、嫉妬や後悔、胸の奥でうずく「私のほうを見てほしかった」という気持ちに反応しているのが伝わってきます。御園との関係に揺れる視点や、「自分が楽になりたいだけだ」と気づく瞬間、相手のたった一回の経験を奪ってしまいそうになる怖さ。どれも日常に潜む気持ちで、そこに無理に答えを与えず、ただ丁寧に向き合わせてくれるところが、この物語の効き方だと思いました。 さらに、死者と生者をつなぐ“使者”という仕事が入ることで、人の気持ちは一面だけでは測れないことが、少し距離を置いて見えるようになります。道が凍っていたかどうか、伝言を届けられるかどうか。その細やかな願いに触れると、自分の中のモヤモヤも、誰かの人生の一部としてそっと置いておけるような感覚が生まれます。 人と比べて苦しくなるときや、自分の気持ちの正体がわからなくて立ち止まるときに、静かに寄り添ってくれる物語です。こんな人に刺さると思います。誰かを好きで、その分だけ苦しくなった経験がある人へ。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
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