ヨムナビ
凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

辻村深月

講談社 / 2008-11-14

累計読者数23
平均ハイライト数 11.8件/人
推定読了時間 約6時間13分
star総合評価 52/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 20%

この本について

人といても「ここが自分の居場所だ」と思えなかったり、ほんの些細なことで気後れしてしまったり。周りと同じ温度で生きられない自分を、うまく扱えないまま日々が過ぎていくことってあります。平穏を望んでいるだけなのに、感情や言葉が足りないせいで距離が生まれてしまう感じ、わかるなと思いました。 『凍りのくじら』は、そういう「どこか少し不在なまま大人になってしまった感覚」に静かに寄り添ってくれる物語です。誰かを必要としたいのに素直になれない気持ちとか、家族との関係のぎこちなさとか、自分でも説明できない矛盾をそのまま抱えて生きている感覚が、登場人物たちの言葉を通すと不思議と形になるんですよね。特に、母から娘へのまっすぐな思いが吐露される場面は、「自分は本当はどうしたかったんだろう」と立ち止まらざるを得ませんでした。 そしてこの作品は、夢や才能にまつわる痛みもごまかさず描きます。努力しても届かない現実を前に、それでも前に進むしかない時、人はどう自分と折り合いをつけるのか。逃げや言い訳をしてしまう弱さを責めるのではなく、直視したときに初めて見える景色を教えてくれます。 「どこにいても少しだけ不在だと感じる人」に、静かに効いてくる本だと思います。自分の輪郭が少し曖昧になってしまった時に読むと、薄く灯りを当ててもらえるような一冊です。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

辻村深月の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。(講談社文庫)
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要