
アルスラーン戦記1王都炎上 (らいとすたっふ文庫)
田中芳樹
光文社 / 2012-04
この本について
仕事でも人間関係でも、相手の思惑に振りまわされて「自分は何を基準に動けばいいんだろう」と迷うことが多いと思います。正しいと思っていた判断が裏目に出たり、情報が多すぎて混乱したり、責任だけが積み上がっていく感じに覚えがある人もいるはずです。僕もそうで、同じように足元がぐらつく日があります。 『アルスラーン戦記1 王都炎上』を読んでいて刺さるのは、そんな“迷いながら進む人間”の姿が、権力や戦乱という極端な状況を通してむき出しになっているところです。自信と過信の境目を見誤る者もいれば、恐怖に縛られて判断をゆがめる者もいるし、逆に、混乱の中で自分が成長するしかないと腹を決める若者もいる。読者が抜き出した一文を見ると、みんなそこに反応しているように見えます。人間の弱さも醜さも、そして希望の種もまとめて描かれていて、読みながら自分の選択の癖が浮き上がってくるんですよね。 それに、ナルサスやダリューンのように「この人のためなら力を貸したい」と思わせる存在がどう生まれるのかも、この巻だけでけっこう示唆があります。忠誠心って才能や地位の話じゃなくて、相手の成長しようとする姿勢に引かれて集まるものなんだな、と自然に理解できる。情報が洪水のように押し寄せる場面を読んでいると、僕たちの世界にも似たものがあると気づきます。 迷いながらでも前に進みたい人、状況に飲まれがちな自分を立て直したい人には、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
読書の順序
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