
人生の短さについて
セネカ and 浦谷 計子
PHP研究所 / 2009-02-20
この本について
忙しくしているはずなのに、ふと夜になると「今日、自分の時間ってあったっけ?」とモヤっとすることが増えてきました。人の予定に合わせて動いて、仕事に追われて、気づけば一週間が一瞬で消える。なのに、何を積み上げたかと言われるとよく分からない。そういうとき、この本の言葉がなぜか胸に残りました。 セネカは二千年前の人なのに、今の私たちの生活をそのまま見ていたのかと思うほど鋭いです。「多忙に過ごしている人は、頭が成長しないまま老いに不意打ちを食らう」とか、「他人に人生を奪われていることに気づかないまま終わる」とか、読みながら耳が痛い場面が多い。でも同時に、ただ叱ってくるわけじゃなくて、時間を取り戻すための視点を静かに置いていってくれる感じがあります。たとえば、過去の時間はいつでも自分のものになるという考え方や、毎日を「最後の日のように扱う」という意識の持ち方は、翌日の予定をひたすら詰め込みがちな自分の癖を見直すきっかけになりました。 未来の計画を立てるより、今日の一日をどう使うかのほうが大事なんだろうな、と腑に落ちたのはこの本のおかげです。長く生きるかどうかは運ですが、自分の時間を自分のために使えるかどうかは、少しだけ工夫で変えられる。そんな当たり前を、丁寧に思い出させてくれます。 日々の忙しさに「このままで大丈夫なのか」と薄く不安がある人にこそ、静かに効いてくる一冊だと思います。
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