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道化師の蝶 (講談社文庫)

道化師の蝶 (講談社文庫)

円城塔

講談社 / 2015-01-15

累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約1時間53分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%

この本について

仕事でも旅でも、同じ景色ばかり見ている気がして、どこに行っても自分の思考がついてきてしまう時があります。せっかく移動しているのに、頭の中だけはいつもの延長線上にいる感じ。場所を変えても、自分の感覚はそう簡単には変わらないんだよな…とつい思ってしまうあの感覚です。 円城塔の「道化師の蝶」は、その閉じた循環をちょっとだけずらしてくれる本でした。たとえば「旅の間にしか読めない本がある」という一文。読書ってどこでもできると思っていたのに、読み手の状態や場所によって、本との距離がこんなに変わるのかと気づかされます。さらに、名前の並べ方ひとつで世界の見え方を変えてしまうような、遊びとも実験ともつかない文章が続いていて、読みながら自分の思考の癖がふっと外される瞬間があるんです。物語を追うというより、感覚がほぐれていくような読書体験に近いかもしれません。 大きく人生が変わるとか、わかりやすいメッセージがあるとか、そういう本ではありません。ただ、いつもと違う頭の動きに触れることで、自分のなかの「これはこういうものだ」という固まりが少し揺れてくれる。それだけで十分だと思える人に向いています。 日常の思考から一歩だけ外に出たい人に、静かに刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。〈芥川賞受賞作〉
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