ヨムナビ
これはペンです(新潮文庫)

これはペンです(新潮文庫)

円城塔

新潮社 / 2014-03-01

累計読者数3
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約4時間26分
star総合評価 50/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 67%

この本について

最近、仕事でも生活でも「一度やったことをまた繰り返す意味って何なんだろう」と考えることが増えました。同じ作業を続けるのが虚しく感じたり、逆に過去の選択をやり直せないことに焦りを覚えたり。頭の中が散らかっているときに『これはペンです』を読むと、物事の「繰り返し」や「手順」や「記憶」について、少し別の角度から眺め直せます。 この本の面白いところは、きれいに答えをくれるわけではなく、むしろ叔父や父の記憶のように、ところどころ齟齬がある世界そのものを読者に体験させてくれるところです。たとえば、料理や音楽のように同じことを続ける人間のふるまいを、登場人物が驚くように見つめ直す場面。自分が普段「当たり前」だと思っている行動にも、ちゃんと理由があるのかもしれないと気づかされます。そして、可能性には「手順」があり、道が鎖されることもあるという考え方に触れると、今の自分が感じている行き詰まりも、単に道筋の問題なのかもしれないと思えてきます。 記憶を都市に配置する話や、もっともらしいのにどこか歪んだ街の描写も、曖昧な過去を抱えている自分の感覚に近くて、読んでいて変に安心しました。論理で割り切れないものを抱えたまま生きている人には、妙にやさしい一冊です。 世界の整合性に疲れたとき、あるいは自分の記憶や選択にモヤモヤしているときに手に取ると、ひっそり効いてくるタイプの本です。こんな人に刺さると思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

円城塔の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた―。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。

目次

これはペンです 良い夜を持っている
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要