
上司は仕事を教えるな! (PHPビジネス新書)
藤野 祐美
PHP研究所 / 2012-04-18
この本について
上に立つ側であっても、毎日「これ、どう接するのが正解なんだろう…」と悩むことってありますよね。仕事を教えすぎてしまっているのか、逆に放っておきすぎなのか、声を掛けるタイミングすらわからなくなる日もあります。自分なりに丁寧にやっているつもりでも、部下の動きが変わらないと「結局、何をすればいいんだろう」と手が止まってしまう。そんなモヤっとした気持ちに、この本は静かに効いてきます。 印象的なのは、著者が「部下を見る前に、まず自分の仕事を具体的に書き出してみる」と勧めているところです。営業とか企画とかざっくりした肩書きではなく、自分が工夫してきた細かい仕事を棚卸しする。これをやると、意外なほど自分の強みが見えてきて、「だからこそ、部下にはどこを任せていいか」も自然に整理されます。叱る場面でも、感情ではなく具体的な改善点を伝える視点に切り替えることで、相手も次の一手を考えやすくなる。その関係づくりの土台として、著者は「一人の人として関心を向けること」をかなり丁寧に語っています。週末の過ごし方や誕生日といった小さな情報すら、相手を個として見るための入口になるという話には、個人的にもハッとさせられました。 さらに、この本は今の“検索世代”にどう関わるかという、現場で多くの人がつまずくポイントにも触れています。わからないことがあったら聞く、という前提がそもそも違う。その前提を知った上で、どう考えさせ、どう寄り添うか。五分間コーチングのような小さな積み重ねで信頼関係を育てる方法も具体的で、日々の会話の中で試しやすいはずです。 部下育成を「もっとちゃんとやらなきゃ」と気負いすぎてしまう人よりも、「正解がわからないまま毎日が過ぎていく…」と感じている人ほど刺さる本だと思います。自分の働き方も、部下との距離感も、少しずつ整えていきたいときに手元に置きたくなる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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