
この本について
文章を書くとき、「何を書けばいいのかわからない」「いざ書こうとすると手が止まる」というモヤモヤ、けっこう根深いですよね。僕も長くそこに悩んでいて、「文才がないだけなのか…?」と何度も落ち込んだタイプです。でも、この本を読んでみて思ったのは、止まってしまう理由って、才能よりも“材料”と“目指す形”がないだけなんじゃないか、ということでした。 特に救われたのは、好きな作家を一人決めて、とにかく書き写すというシンプルな方法です。処女作から順番に写していくと、その作家の癖や息づかいが少しずつ自分の中にも染みていく感じがある。自分の文章が急にうまくなるわけじゃないけれど、「こういう書き方ならできそうだ」という感覚が生まれるだけで、前に進めるようになります。また、頭の中にないことは書けないという当たり前の指摘も、僕にはかなり効きました。知らないテーマを前に固まっていたのは、自分の能力不足じゃなくて、ただ情報が足りなかっただけなんだと気づけます。 そうやって“好き”を手がかりに進んでいるうちに、自分の文章にも小さな変化が出てくる。本書はそういう積み重ねを丁寧に示してくれるので、「文章力を伸ばしたいけど、何から始めていいかわからない人」に静かに刺さると思います。
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