
王とサーカス
米澤 穂信
東京創元社 / 2018-08-31
この本について
仕事でも日常でも、「これだけやっても報われてる感じがしないな」とか、「続ける意味ってどこにあるんだろう」と急に足が止まる瞬間ってありますよね。気持ちは動いているのに、行動の理由が見えなくなるあの感じです。今回の抜粋を見ていると、読んだ方はまさにその“理由のなさ”に刺さったんじゃないかと思いました。人は何度も傷つきながら、それでも何かを作ったり、考えたりし続ける。じゃあ自分はどうなんだろう、という静かな問いが残る一節です。 『王とサーカス』はミステリとしても読めるんですが、実際には「なぜ人は真実を追うのか」「なぜ何かを続けるのか」という、もっと根っこの部分をじわじわ突いてきます。ネパールの混乱した情勢の中で、主人公がニュースを書く意味を見失いながら、それでも目をそらしきれない姿が描かれていて、読んでいるこちらも、自分の仕事の“重さ”や“理由のなさ”と向き合わされるんですよね。目覚めるように一瞬だけ気持ちが軽くなったり、逆に胸が重くなる場面もあって、その揺れ方が妙に現実的です。 特に効くのは、行動の正しさよりも、揺れながら決める「小さな覚悟」の描き方です。派手な成長とか劇的な答えではなく、今日をどう生きるかの延長線で物語が動いていくので、読んだあとに自分の足元をそっと確認したくなる。こんな人に刺さると思います。立ち止まる理由はなくならないけれど、それでも前に進む日を選びたい人。 迷いを抱えたままでも、どうにか進んでいける気がする。そんな静かな後押しをくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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