
この本について
最近、「将来が不安とか言いながら、でも毎日なんとなく楽しくやれてる自分」をどう扱えばいいのか分からなくなることがあります。周りは社会の閉塞感や格差の話でいっぱいなのに、実際の自分の生活はそこまで最悪じゃない。このギャップを説明できないまま、なんとなく後ろめたさだけが残るような感覚です。 古市さんの『絶望の国の幸福な若者たち』は、そのモヤモヤに丁寧に言語を与えてくれる本でした。読者が保存していた部分にもあるように、「この国には生活を楽しませてくれるものが思っている以上にある」という視点や、社会全体の語りと個人の実感がズレる背景を、情報化や価値観の多様化から説明してくれます。若者の生活満足度が実際は高いというデータも、感覚を後押ししてくれるというより、むしろ“ああ、自分の感覚ってそんなに変じゃなかったのか”と静かに肩の力が抜ける感じがあります。 この本が効くのは、世の中が言う「若者像」と、自分のリアルな生活の間に違和感を抱えているときです。社会は暗い話で溢れているのに、自分の毎日は割と悪くない。その矛盾を無理にどちらかに寄せず、事実としてそのまま受け止めるヒントがある。読み進めるうちに、ニュースの大きな物語に巻き込まれ過ぎず、自分の生活のスケールで物事を考えていいんだと少しずつ思えるようになります。 「悲観も楽観も、どこかしっくりこないまま日々を過ごしている人」に特に刺さる一冊です。
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