
「日本」ってどんな国? ──国際比較データで社会が見えてくる (ちくまプリマー新書)
本田由紀
筑摩書房 / 20211007
この本について
最近、ニュースを見ても選挙があっても、自分の生活とはどこか噛み合わない感じが続くことがあります。働き方も家族も友人関係も、なんとなく息がしづらい。しかも「自分だけの問題なのか、国の構造的な問題なのか」がよくわからないまま時間だけが過ぎていく。このあたりのモヤモヤ、僕自身かなり長く抱えていました。 この本は、そこをデータで静かにほどいてくれる一冊でした。例えば、日本の若者が政治に距離を置きがちな理由が「無関心ではなく余裕のなさ」からきていることや、家庭・教育・仕事が一方向に流れ込む戦後のモデルがいまだに影響を残していること。自分の努力不足では説明できなかった違和感が、構造として言語化されると、責める対象が自分自身から少し離れてくれます。読んでいて救われる感覚がありました。 そしてもう一つ大きかったのは、日本社会の特徴を「異常だから直せ」と叫ぶ本ではないところです。むしろ、「あなたが感じている負荷は実在するし、それはあなただけのせいではない」と丁寧に示してくれる。その上で、もし社会を動かすならどこを触ればいいのか、双方向的な連携という現実的な視点をくれる。自分の働き方や人との距離感を見直すときにも効きました。 自分の生きづらさの正体を、感覚だけでなく言葉としてつかみたい人に、とても向いている本だと思います。
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