
ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論 (星海社 e-SHINSHO)
千葉雅也, 山内朋樹, 読書猿, and 瀬下翔太
この本について
書こうとすると急に手が止まる日ってありますよね。書きたい気持ちはあるのに、頭の中が散らかっていて、何から触ればいいのか分からない。あるいは「もっと良くできるはず」という気持ちばかり膨らんで、実際には一文字も進まない。僕もよくその沼にはまります。 『ライティングの哲学』は、その「書けなさ」を力技で突破させる本ではなく、むしろ書けない状態のまま前に進むための“現実的な工夫”を淡々と教えてくれます。たとえば、資料をいったん頭に置き、書くときには参照しないという無能フィルターの考え方。そうすることで「今回はこれだけしか書けない」という形が自然と見えてくる。あの、締切直前になると急に書ける感じの正体が、実はこの“有限化”だと説明されるのは、個人的にめちゃくちゃ腑に落ちました。 もうひとつ好きなのは、アウトライナーやフリーライティングを「整った文章を作るため」ではなく、「迷いやイライラも含め、書き手の頭の外に出すための道具」として扱う姿勢です。完璧を目指さず、とりあえず2語文でもいいからフレームを埋めていく。その地味な積み重ねが、後で文章を動かす土台になるのを、この本は丁寧に言語化してくれます。生活リズムや習慣と執筆を結びつける話もあって、机に向かえない日に少し気が楽になります。 書きたいのに書けず、「自分は向いてないのかも」と思いがちな人にこそ刺さる本です。書くことの現実と付き合うための、等身大のヒントがつまっています。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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