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現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集=人類学のゆくえ

現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集=人類学のゆくえ

中沢新一, 上橋菜穂子, 春日直樹, 檜垣立哉, エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ, マリリン・ストラザーン, フィリップ・デスコラ, 箭内匡, 奥野克巳, 金子遊, 久保明教, 清水高志, and 水野千依

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この本について

仕事でも日常でも、人の動きや空気を読み違えて「あれ、なんでこうなったんだろう…」と首をかしげることがたまにあります。データも理屈も見ているつもりなのに、最後の決定打になる“感じ”の部分がつかめないまま終わる。あの正体不明のズレに、ずっとモヤモヤしていました。 この『人類学のゆくえ』が面白いのは、そのズレを「不可量部分」として真正面から扱っているところです。人を理解するには、まじめかふざけているか、興奮しているか退屈しているかといった微細な状態を同時に捉えないといけない。だから時には「観察者であることをやめる」必要がある、とマリノフスキは言う。これは職場のコミュニケーションにもそのまま応用できる視点で、相手の言葉より先に現場全体の“温度”を見ることの大切さに気づかされます。 また、ラトゥールやストラザーンの議論からは、「主体と対象」「人とモノ」といった当たり前の区分を一度保留し、関係そのものを見る目を鍛える感覚が学べます。目の前の問題が、人のせいなのか仕組みのせいなのか判断に迷うとき、この発想が状況の見え方を変えてくれる。文化や社会の“構造”を抽象化して語るのではなく、具体的な関わりの中で立ち上がる現実として捉え直せるのが、この本の一番の効き目です。 表面的な答え合わせより、現場の複雑さに向き合いたい人に刺さると思います。

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