
インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)
ダン・ブラウン and 越前 敏弥
KADOKAWA
この本について
先の見えない状況に巻き込まれたとき、いま自分がどこに立っていて、何を信じて動けばいいのか分からなくなることがあります。仕事でも人間関係でも、判断材料が揃わないまま決めざるを得ない場面って、妙に胸がざわつきますよね。 『インフェルノ』の抜粋を見ていると、読者の多くは「追われながらも思考を手放さないラングドン」に惹かれている気がします。世界保健機関の判断に疑念が差し込み、誰を信じるべきか分からないまま、それでも前に進むしかない状況。プロフェッショナルの声が切迫して聞こえたり、迷路のような庭園で出口を探しながら、立ち止まれば撃たれるかもしれないと怯えたり。あの“混乱の中で選ぶしかない瞬間”が、現実の私たちの迷いと重なるんだと思います。 この作品が効いてくるのは、混乱しているときほど視界が狭くなる、という当たり前の事実を物語として体験できるところです。ラングドンが状況を一つひとつ照らし合わせながら「本当に信じていい情報はどれか」を探る姿は、自分が慌てているときの判断を少し俯瞰させてくれますし、巨大な組織の動きや思惑を描く場面は、目の前の事象だけで世界を判断しない視点を持たせてくれます。そして何より、逃げ続けるだけではなく、どこかで立ち止まって“考える”しかない瞬間があることを、そのままの温度で示してくれます。 物事の全体像がつかめない状況で、つい思考停止してしまいがちな人に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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