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「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書)

「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書)

吉見俊哉

集英社 / 2016-02-22

累計読者数6
平均ハイライト数 32.3件/人
推定読了時間 約2時間47分
star総合評価 61/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 13%

この本について

文系が「役に立たない」と言われる空気って、日常のどこかでふと胸に引っかかることがあります。自分が専攻した学びに自信が持てないとか、大学そのものが疲弊しているように見えて理由がつかめないとか。モヤモヤはあるのに、問題の全体像まではなかなか手が届かないんですよね。 この本は、その曖昧な不安に輪郭を与えてくれます。文系が自ら「役に立たない」という思い込みを受け入れてしまっている現状や、理系中心の政策がどう積み重なってきたのかを、感情論ではなく事実ベースで示していきます。読んでいるうちに、「文系の危機」と言われるものが単なるトレンドではなく、競争的資金の仕組みや大学組織の再編、教員数の減少といった具体的な変化の積み重ねだったと見えてきます。大学が何に時間を取られ、どんな負担が生まれているのかが数字と制度の流れで説明されるので、これまでぼんやりしていた不安が「なるほど、そういうことか」に変わっていきます。 同時に、人文社会系が自然科学と別の角度から社会に貢献できる可能性や、文理を統合して新しい領域をつくる試みの必要性にも触れられていて、「文系 vs 理系」という対立ではなく、どうすれば知の生態系が健全にまわるのかという視点が得られます。文系の棚上げでも擁護でもなく、現実を直視したうえでどう動き得るのかを考える土台になる一冊です。 自分の学びの価値に揺らぎを感じている人、大学の現状を表面のニュースではなく構造から理解したい人には、特に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

2015年6月に文科省が出した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を受け、各メディアは「国が文系学部を廃止しようとしている」と報じ、騒動となった。これは事の経緯を見誤った報道ではあったものの、大学教育における「理系」偏重と「文系」軽視の傾向は否定できない。本著では、大学論、メディア論、カルチュラル・スタディーズを牽引してきた著者が、錯綜する議論を整理しつつ、社会の歴史的変化に対応するためには、短期的な答えを出す「理系的な知」より、目的や価値の新たな軸を発見・創造する「文系的な知」こそが役に立つ論拠を提示。実行的な大学改革への道筋を提言する。【目次】第一章 「文系学部廃止」という衝撃/第二章 文系は、役に立つ/第三章 二一世紀の宮本武蔵/第四章 人生で三回、大学に入る/終章 普遍性・有用性・遊戯性/あとがき
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