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霧のむこうに住みたい (河出文庫)

霧のむこうに住みたい (河出文庫)

須賀敦子

河出書房新社 / 2014-09-08

累計読者数4
平均ハイライト数 24.5件/人
推定読了時間 約1時間54分
star総合評価 69/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 62%

この本について

仕事でも日常でも、考えすぎて手が止まることがあります。筋道を立てて進みたいのに、寄り道ばかりしてしまう。あるいは、過去の記憶が急にせり上がってきて、思考の邪魔をする。そんなときに、自分の歩き方そのものが間違っているのではと不安になることがあります。 『霧のむこうに住みたい』を読んで感じたのは、寄り道や回想の散らかりが、そのまま「ものを考える自然な姿」なんだと肯定してもらえる感覚でした。須賀敦子さんが、時間や記憶をすぐ一本の線にしようとせず、駅で拾われそこねた時間まで丁寧に見つめていく姿に、ああ、急がなくていいんだと思わされます。文章が生まれる過程がそのまま読者の思考にも響いてきて、過去の断片が別の意味を帯びる瞬間に立ち会えるのも、この本ならではでした。 ゆっくり考えることには時間がかかるし、現代向きじゃないかもしれない。でも、その遅さの中でしか拾えない感覚がある。そんな当たり前のことを、イタリアの景色や人々とのやりとりを通して思い出させてくれます。 自分の思考の寄り道を責めがちな人、あるいは「どうしても一本の線で語れない」と悩んでいる人には、静かに効いてくる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

愛するイタリアのなつかしい家族、友人たち、思い出の風景。静かにつづられるかけがえのない記憶の数かず。須賀敦子の希有な人生が凝縮され、その文体の魅力が遺憾なく発揮された、美しい作品集。
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