
解読「地獄の黙示録」 (文春文庫)
立花 隆
文藝春秋 / 2004-08-10
累計読者数3
平均ハイライト数 10件/人
推定読了時間 約2時間2分
star総合評価 48/100
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この本について
仕事でも日常でも、「正しいと思ってやっていることなのに、どこか自分の中の感覚とズレていく瞬間」があります。目的に向かって走っているはずなのに、手段がいつのまにか自分を侵食していくようなあの感じです。そんなとき、この『解読「地獄の黙示録」』を読むと、ただ映画の背景を知る以上に、自分の内側をじわっと突かれるような感覚がありました。 本書が効いてくるのは、戦争という極端な状況を扱いながらも、カーツの「正気と狂気の境界」を人間の構造として描き出すところです。戦争目的に忠実であるほど狂気に落ちていくという逆説や、手段が目的を浄化しないという指摘は、実は私たちの仕事観にも直結します。何かを成し遂げるためにやっていたはずが、いつの間にか「やり方」だけが暴走してしまう。そこに立花隆が丁寧に光を当ててくれるので、自分の思考の癖を見直すきっかけになるんですよね。 そしてもう一つ大きかったのは、カーツが自分の空虚さを理解しているという点。自信があるようで実は内側がスカスカになっている状態って、極端ではなくとも思い当たる人は多いはずです。そんな“空洞の感覚”を放置したまま前に進むとどうなるのかを、映画よりもはるかに具体的に見せつけられます。 自分の中の「目的と手段のねじれ」に心当たりがある人には、とても刺さる一冊です。
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出版社による紹介
「地獄の黙示録」は、はじめて世界文学に匹敵するレベルで作られた映画である! 未完成版のまま出品されたカンヌ映画祭でグランプリを獲得。1979年(日本では80年)に公開されると、世界中で賛否両論が巻き起こった映画史に残る作品を徹底解剖。 舞台はベトナム戦争。陸軍士官ウィラード大尉(マーティン・シーン)は、元グリーンベレー隊長カーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺を命令される。カーツ大佐は軍の意向を無視し、カンボジアの山岳民族を率いて北ベトナム軍と戦っていた・・・。 監督・脚本・音楽・製作は「ゴッドファーザー」で大成功を収めたフランシス・コッポラ。約90億円にまで制作費がふくれあがったため、全財産を投じて完成させた。 映画の下敷きとなったコンラッドの「闇の奥」、T.S.エリオットの「荒地」「うつろな人々」、イギリスの文化人類学者フレイザーの「金枝篇」、ヨーロッパに伝わる聖杯伝説、そして映画のテーマ音楽となったドアーズの「ジ・エンド」。これらを手がかりに、コッポラが映画にこめたメッセージを読み解く。
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