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不平等との闘い ルソーからピケティまで (文春新書)

不平等との闘い ルソーからピケティまで (文春新書)

稲葉振一郎

文藝春秋 / 2016-05-20

累計読者数4
平均ハイライト数 15.5件/人
推定読了時間 約2時間47分
star総合評価 60/100
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この本について

仕事で「自分の努力だけではどうにもならない差」があるように感じたり、社会の仕組みそのものがどう回っているのか分からずモヤモヤすることってありますよね。自分の給料や働き方の限界を実感したときほど、その背景にあるルールを知りたくなるのに、経済の話は専門用語だらけで距離を置きたくなる……。少なくとも僕はずっとそうでした。 この本が効くのは、いま目の前で起きている不平等を「単なる印象」ではなく、歴史の流れとして捉え直せることです。ルソーが指摘した所有権制度の成り立ち、古典派が見ていた賃金の“自然な水準”という冷徹な前提、そしてマルクスがそこに割って入れようとした労働力の概念など、いまの格差に直結する考え方が一本につながっていきます。読むうちに、自分が参加している市場のルールがどんな発想で作られてきたのか、その枠組みの中でなぜ労働者の行動には限界が生まれるのかが、急に具体的に見えてきます。 もうひとつ助かったのは、改善のプロセスが「大思想家の名言」ではなく、実際に人々が動き、制度が変わることで積み上がってきたと分かる点です。ピケティまでの流れを追うことで、不平等をどう扱うかは常に社会全体の選択の結果だと分かり、自分の立ち位置も少し落ち着いて見られるようになりました。 おすすめしたいのは、努力と構造の境目でずっと悩んでいる人です。知識が武器というより、世界を見分ける眼鏡に変わる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の未来のために!」 ——『21世紀の資本』共訳者・山形浩生氏 推薦 フランスの経済学者トマ・ピケティによる大著『21世紀の資本』が公刊されたのは2013年。その後、ノーベル経済学受賞者のスティグリッツやクルーグマンらの推薦もあって英訳から火がつき、またたく間に世界的にベストセラーになりました。 どうして大ブームになったのでしょうか? 実は下地ができていました。高度成長を終えた先進国のなかで、ピケティしかり、日本の「格差社会」「大衆的貧困」ブームしかり、明らかに「不平等ルネサンス」とでもいうべき学問的潮流が起きていたのでした。 それでは一体いつ、経済学者たちの「不平等との闘い」は始まったのでしょうか? 本書では、ピケティ的な意味での「市場経済の中での不平等(所得や資産の格差)」に焦点を絞り、その歴史を紐解きます。 18世紀にフランス革命の思想的後ろ盾となった、ジャン=ジャック・ルソーと、そして“神の見えざる手”で知られるアダム・スミスから議論を始め、マルクス経済学、近代経済学、不平等論議の新しいステージ「不平等ルネサンス」、そして現代のピケティにいたるまでの学問的軌跡を追っていきます。
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