
新版 落窪物語 現代語訳付き【上下 合本版】 (角川ソフィア文庫)
室城 秀之
KADOKAWA
累計読者数3
平均ハイライト数 34.7件/人
推定読了時間 約14時間25分
star総合評価 61/100
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この本について
物語を読んでいて、「世界の輪郭がつかめないまま進む感じ」にモヤモヤすることってありませんか。とくに平安ものは、衣装や身分、建物の構造が細かく出てくるぶん、情景が立ち上がるまでに少し距離があります。自分も昔はそこでつまずいて、物語そのものよりも、まず“読み進める体力”に悩んでいました。 今回の『落窪物語』の抜粋を見ていると、読者の方が刺さっているのは、豪華さそのものより、「人がどんな位置に座り、どんな衣を重ね、どんな空間で暮らしていたのか」という生活のディテールなんだと思います。車の乗り方に上座と下座があったり、下部屋で侍女が動いていたり、季節ごとの装束の音がそよぐ描写があったり。こういう具体が積み重なると、登場人物の距離感や緊張感まで自然と読めるようになります。物語の理解というより、“世界に住む手触り”が急に出てくる感覚です。 この新版は、そうした細部を現代語訳と注で丁寧に拾ってくれるので、単に「あらすじを追う」読み方ではなく、登場人物の視線の高さや、上下関係の空気ごと味わえるようになります。母を失った姫が祖母にではなく父に引き取られる事情など、何気ない一文の背景に潜む社会の仕組みまで見えてくるのがありがたいところです。 平安文学を“物語として”楽しみたいけれど、時代の感覚を自分の中に落とし込むのに苦戦している人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
『源氏物語』に先立つ、笑いの要素が多い、継子いじめの長編物語。母の死後、継母にこき使われていた女君。その女君に深い愛情を抱くようになった少将道頼は、継母のもとから女君を救出し復讐を誓う——。 ※本書は「新版 落窪物語 上 現代語訳付き」「新版 落窪物語 下 現代語訳付き」の2冊を合わせた合本版です。
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