
双調平家物語8 保元の巻(承前) 平治の巻1 (中公文庫)
橋本治
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推定読了時間 約8時間
star総合評価 55/100
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この本について
忙しさに流されて、いま起きている出来事の背景をちゃんと掴めていない気がするときってありませんか。人の思惑や感情がどこから生まれて、どう絡み合っていくのかが見えなくなると、判断そのものがぶれることがあります。 『双調平家物語』のこの巻を読んでいて感じたのは、まさにその「背景の見えにくさ」をほぐしてくれるところでした。読者の方が保存していた言葉を見ると、指嗾や内訌、干戈といった生々しい権力の動きに加えて、老耄や自侭のような個人の弱さ・癖にも目が向いているんですよね。橋本治の語りは、史実を教えるというより、人物の情けなさや傲りをそのまま置いていくので、誰が正義かを決めつけずに、人が動く理由を立体的に感じられます。 特に効くのは、まず「誰も大きな物語の主人公ではなく、それぞれが自分の都合で動いている」という視点に戻れること。さらに、滂沱の涙や刻苦といった細かな情景描写が、歴史上の人物を遠い存在にせず、いまの私たちと地続きの人間として捉え直させてくれます。結果として、目の前の人間関係や職場の空気を読むときにも、単純化しすぎない余裕が生まれます。 歴史のディテールから人間の本音を拾いたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
近衛帝崩御で、関白忠通は守仁王の擁立を策するが、少納言入道・信西の進言により雅仁親王が踐祚する。忠通は、藤原氏の長者の座を父忠実と異母弟頼長の手から奪い取らんがため、保元の乱を惹き起こすことになる「新院御謀叛」を策謀する。かくして鳥羽院崩御からわずか九日後、崇徳院と後白河帝、忠通と頼長は兵を交え争うが、その結果、進んで戦いの指揮を取り、勝者となった信西が、御世の政局を動かしうる者となった。
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