
炎環
永井路子
文藝春秋 / 2012-06-10
累計読者数3
平均ハイライト数 2.3件/人
推定読了時間 約4時間
star総合評価 42/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%
この本について
仕事でも人間関係でも、「表に立つ人より、裏で動いている人の思惑のほうが影響している気がするけど、結局どう見極めればいいんだろう」とモヤモヤすることがあります。立場や責任が絡むと、本音と建前の距離が一気に広がって、相手の言葉をそのまま信じていいのか不安になるあの感じです。 『炎環』を読むと、そのモヤモヤが少し解像度を上げてくれます。永井路子さんは、頼朝や北条義時、景時の「表向きの言葉」と「胸の内の計算」を丁寧に書き分けていて、読者が保存した抜粋にもその緊張感がよく滲んでいます。例えば、誰かの意向を“代わりに言う”ことで権力が強まっていく構造とか、あえて自分が前に出ずに権威を他者に背負わせるやり方とか、現代でも職場の中で見覚えのある場面が多いんです。感情だけで動かない人たちが、どんな理屈で判断していたのかがわかると、自分が巻き込まれたときにどこを見ればいいかがちょっと掴みやすくなります。 泣いたのかどうかを巡る兄弟の心の距離の描写も、結局「事実そのものより、その受け取り方が関係を決めてしまう」ことを静かに示していて、対人関係のもつれをどう扱うかのヒントになります。歴史物だけど、権力の扱い方や人の弱さの出し方が妙にリアルで、いまの自分の周りを見るときの視点が少し変わります。 立場の違う人たちの本音を読み解くのが苦しいけれど嫌いじゃない、そんな人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭——その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
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