
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃 (講談社現代新書)
小林雅一
講談社 / 2016-08-18
この本について
日々ニュースで「ゲノム編集」「クリスパー」という言葉は聞くのに、自分の生活とはどこでつながるのか、いまいち掴めないままモヤモヤすることがありました。医療の話なのか、技術の話なのか、それとも企業戦略の話なのか。どれも関係している気はするけれど、全体像になると急に霧がかかる。そんなときに、この本はちょうどよく輪郭を描いてくれました。 読んでまず驚いたのは、ゲノム編集が「遠い未来の話」ではなく、すでに巨大テック企業の投資や個々人の遺伝子検査と密接につながっている現実です。グーグル創業者の遺伝子変異や、そこから広がる難病研究の動きなど、技術が生身の人間の選択と結びつく瞬間が丁寧に描かれている。この“人間くささ”のおかげで、抽象的な技術が急に立体的になります。また、パーキンソン病やハンチントン病など、実際の疾患と遺伝子の関係が具体的に説明されていて、医療領域で何が変わろうとしているのかが腹落ちします。特に、オフ・ターゲットや遺伝子ドライブといったリスク面まで正面から触れてくれるので、都合のいい未来図だけを見ずに済むのも大きいところでした。 結局、技術への過度な期待と不安のあいだで揺れがちな人ほど、この本が“ちょうどいい温度”で理解を助けてくれると思います。研究の最前線を追いかけたいというより、「自分がこれから生きる世界の前提をつかんでおきたい」人に向けた一冊です。
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多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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