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笑い (光文社古典新訳文庫)

笑い (光文社古典新訳文庫)

ベルクソン and 増田 靖彦

講談社 / 2020-07-10

累計読者数7
平均ハイライト数 70.4件/人
推定読了時間 約3時間17分
star総合評価 76/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 48%

この本について

仕事でも日常でも、人との会話が妙に引っかかったり、「なんでこれがおもしろいんだっけ?」みたいなモヤっとに出会うことがよくあります。自分の中の感情や常識がぴたりと噛み合わず、どこか空回りしてしまうとき、そのズレの正体が分からないまま放置してしまいがちです。 ベルクソンの『笑い』は、そのズレを「生きた思考」と「固まってしまった習慣」の衝突として見せてくれる本でした。言葉遊びが生まれる瞬間の“緊張の緩み”や、同じ行動を繰り返すうちに眠り込んだおかしさが、あるとき突然よみがえる感じ。仕事の場で誰かが職業的な口調を崩さずに話すと、妙におかしく感じる理由。感情をいったん切り離して、無関心な傍観者になると、ドラマが喜劇へと転じて見える感覚。こういう一つひとつが、日常の「なぜそう感じるのか」を静かにほどいていきます。 特に刺さったのは、人の欠点だけでなく美点までも笑ってしまう構造や、笑いは常にどこか“集団の感覚”とつながっているという視点でした。自分が何に違和感を覚えるのかは、意外と自分だけの問題ではなく、社会との接点にあるんだなと気づかされます。 「人間観察が好きだけど、うまく言語化できない」という人には深く刺さると思います。大きく人生を変えるような派手な本ではないのに、日常の景色がすこし静かに変わるような一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

笑いについての考察は古来さまざまに試みられてきた。西洋哲学においては笑いの底に人間の「突然の得意=優越感」あるいは「小心さ」を見た。また「笑いの空間」と「差別の空間」が重なり合うところで起きていることも意識されてきた。 では、笑いという現象を解く一個の原理があるのだろうか。 笑いとは平穏な日常の破裂である。独特の状況や人間関係のなかから生まれる。また、笑いとは生ものである、刹那的である等々、笑いという現象はいろんな側面からその特徴を見出すことができる。 本書では西洋哲学の知見から現代日本における「お笑い」さらに広く芸術まで、笑いの現場を視野に入れつつ秩序、掟への揺さぶりとしての笑いの可能性を縦横に考察する。
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