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「空気」の研究 (文春文庫)

「空気」の研究 (文春文庫)

山本 七平

文藝春秋 / 2018-12-04

累計読者数49
平均ハイライト数 17.5件/人
推定読了時間 約2時間42分
star総合評価 61/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 26%

この本について

仕事でも日常でも、「なんでこんな判断になるんだろう…」と腑に落ちない瞬間ってありますよね。数字も根拠も揃っているのに、結局は言葉にしにくい何かが決め手になっている気がする。会議で妙な方向に流れたり、空気を読まないと動きづらかったり。自分でも説明しづらいこのモヤモヤに、ずっと名前がつけられないままでした。 山本七平の「空気」の研究は、その “名前のつけられなさ” を正面から扱ってくれる本です。読者の方が抜き取っていたのも、まさに「論理より空気が判断を決めてしまう」という場面。戦艦大和の出撃のような極端な例から、日常の会議の空気まで、ただの“雰囲気”では片づけられない力として描かれていて、読んでいると「ああ、自分が感じていたのはこれだったのか」と少し視界がひらける感覚があります。 個人的に効いたのは、空気が“妖怪のような絶対権”として働く仕組みを描いてくれるところです。論理的な議論の積み重ねそのものが空気をつくっていき、最終的にそれが意思決定を拘束していく。この視点を持っておくと、職場で「なんか変だぞ」と思ったときに、一歩引いて状況を見られるようになる。抗うかどうか以前に、まず“見える化”されるだけで身動きが少し楽になります。 自分の判断が、どこまで自分のものなのか不安になる人に刺さる本だと思います。空気に従えと言われても、逆らえと言われても、どちらも違和感がある。そんな人にとって、「空気」という正体不明のものを再把握するための足場になる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

昭和52年の発表以来、40年を経ていまだに多くの論者に引用、紹介される名著。 日本人が物事を決めるとき、もっとも重要なのは「空気」である。 2018年3月にも、NHK Eテレ「100分deメディア論」で、社会学者・大澤真幸氏が本書を紹介し、大きな反響があった。 日本には、誰でもないのに誰よりも強い「空気」というものが存在し、人々も行動を規定している……。 これは、昨今の政治スキャンダルのなかで流行語となった「忖度」そのものではないか! 山本七平は本書で「『気』とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である。一種の『超能力』かも知れない。」「この『空気』なるものの正体を把握しておかないと、将来なにが起るやら、皆目見当がつかないことになる。」と論じている。 それから40年、著者の分析は古びるどころか、ますます現代社会の現実を鋭く言い当てている。 「空気を読め」「アイツは空気が読めない」という言葉が当たり前に使われ、誰もが「空気」という権力を怖れて右往左往している。 そんな今こそ、日本人の行動様式を鋭く抉った本書が必要とされている。 『「水=通常性」の研究』『日本的根本主義(ファンダメンタル)について』を併録。 日本人に独特の伝統的発想、心的秩序、体制を探った名著である。 解説・日下公人
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