
自由と民主主義をもうやめる
佐伯啓思
幻冬舎
累計読者数3
平均ハイライト数 103.3件/人
推定読了時間 約2時間24分
star総合評価 69/100
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この本について
最近、日本社会の空気にどこか説明しきれない居心地の悪さを感じることがあります。西洋的な価値観を取り入れたはずなのに、うまく馴染まない部分が残ったまま。経済や政治の議論を追っていても、「そもそも何を大事にしたいのか」という根っこの部分が霞んでしまう感覚は、多くの人が共有しているのではないでしょうか。 佐伯啓思『自由と民主主義をもうやめる』は、そんな曖昧な違和感に輪郭を与えてくれる本でした。読者が保存していた部分を見ると、「無」や「無常」という東洋的な世界観への言及、西洋を模倣することで精神が荒廃していった朔太郎の話、そして自由・民主主義が隠してきたニヒリズムの再来といったテーマに強く反応しているように思えます。単に制度や政策を論じるのではなく、もっと深いところで「日本はどう生きるのか」を問い直してくるのがこの本の効き方です。読みながら、自分の中の価値判断の基準が静かにずらされていく感覚がありました。 特に、歴史の中で培われた知恵や、コミュニティの力をどう扱うかという視点は、今の仕事や生活にも引き寄せて考えられます。効率や合理性だけで世界を説明しようとすると漏れ落ちてしまうものに、ちゃんと目を向けられるようになる。そういう意味で、これは「思想の本」というより、自分の足場を確認したいときに手を伸ばしたくなる一冊でした。 今の社会にどこかピンとこない感覚を抱えたまま日々を過ごしている人に、静かに刺さる本だと思います。
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出版社による紹介
アメリカの金融破綻は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破綻でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
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