
詩という仕事について (岩波文庫)
J.L.ボルヘス and 鼓 直
累計読者数11
平均ハイライト数 27.7件/人
star総合評価 66/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 32%
この本について
仕事でも文章を書くことが多いと、「結局、何をどう言えば本質に届くのか…」みたいなモヤモヤがつきまといます。うまく言語化しようと気負うほど言葉が硬くなるし、逆に技巧に走ると自分が何を書きたいのか分からなくなる。そんな行き詰まりに触れたとき、ボルヘスのこの本は、肩をすっと下ろしてくれる感じがありました。 一番刺さったのは、彼が「言葉はそもそも隠喩だ」とあっさり言い切るところです。正しさや逐語の厳密さにしがみつきたくなる気持ちを一度手放すと、言葉ってもっと自由に扱っていいんだ、と視界が開けます。また、詩人の意図よりも読者の感情のほうが大事だという姿勢も、書く・読むに関わらず、表現を変に神聖視しなくていいんだと救われました。さらに印象的なのは、ボルヘス自身が「自分はまず読者だ」と語る場面で、創作と受容の境目を曖昧にしてくれるおかげで、文章を書く負荷がすこし軽くなる感覚があります。 技巧よりも「届く感情」や「言葉の揺らぎ」を大事にしたい人に刺さる一冊です。自分の言葉に迷ったとき、詩という営みの根っこからもう一度考え直すきっかけになると思います。
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