
1000円ゲーム
江上治
経済界 / 2014-10-08
この本について
営業の場に出ると、「売らなきゃ」が頭の中を占領してしまうことってありませんか。僕もずっとその状態で、相手の言葉を聞いているようで、実は自分の都合のフィルターを通した“解釈”しか聞けていない時期がありました。頑張っているのに手応えが薄いときのモヤモヤは、技術不足よりも“視点の詰まり”が原因だったりします。 この本が効くのは、まさにその視点をほぐしてくれるところです。印象に残ったのは、「営業はヒアリングが8割」という話が机上の理論ではなく、相手の“本音”まで掘り下げる行動として描かれている点。相手が言ったニーズをそのまま信じ込まない、過去にまで理由をたどっていく、という姿勢は、自分がどれだけ“売るための会話”ばかりしていたかに気づかせてくれます。そして、千円ゲームのようなシンプルなやり取りの中でも、どこまで相手になりきれるかで成果が変わる、という現実的な示し方が腑に落ちました。 もう一つ大きかったのは、「営業の目的は商品を売ることではなく、お役に立つこと」という部分。聞き慣れた言葉のはずなのに、具体的な会話例や、天才営業が“決して饒舌ではない”という対比を見ていくうちに、この姿勢がどれだけ行動を変えるかが実感として見えてきます。与える姿勢の積み重ねが、人を惹きつける力につながるという話も、現場のリアルに寄り添っていて無理がありません。 「売るための努力はしているのに、どこか空回りしている気がする」という人には特に刺さると思います。営業に限らず、人と向き合う仕事をしているなら、一度立ち止まるきっかけになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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