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ジュライホテル: バンコクの伝説の安宿

ジュライホテル: バンコクの伝説の安宿

及川タケシ

累計読者数3
平均ハイライト数 4.7件/人
star総合評価 42/100
boltライト読書型
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この本について

ときどき、他人の感情に振り回されすぎて疲れてしまうことがあります。怒りや嫉妬に出会うたびに、自分の受け止め方が正しいのかよくわからなくなる。距離を置きたい気持ちと、理解したい気持ちがせめぎ合う。そんなモヤモヤを抱えたまま日々を過ごしている人は、多いんじゃないでしょうか。 『ジュライホテル』を読むと、その揺らぎが少しだけ別の角度から見えるようになります。この本に出てくる人たちは、汚れた街や狭い部屋のなかで、ときに残酷で、ときに救いようのない行動をとるんですが、同時に、弱さややさしさがむき出しのまま生きています。例えば、子どもを手放した母親の号泣や、売人なのに天使みたいだと評される女性の矛盾。そこに触れると、人の感情って一面的には扱えないんだな、と静かに腹落ちしていく感覚がありました。 また、場所が変われば価値観も変わることを、身をもって示してくれる場面が多いのもこの本の効きどころです。山岳民族の喉仏の話なんて、善し悪しの判断よりも「他者の世界観の中で自分がどう見えるか」を考えさせられるし、スコールあとに街の匂いが一変する描写は、環境によって人の行動も感情も揺れ動くことをそのまま象徴しています。 複雑な人間関係の中で「どう受け止めればいいのか」迷いやすい人に、じわっと刺さる本です。

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