
今夜、すベてのバーで 〈新装版〉 (講談社文庫)
中島らも
講談社 / 2020-12-15
累計読者数31
平均ハイライト数 8.2件/人
推定読了時間 約4時間10分
star総合評価 54/100
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この本について
人と話すとき、自分を少しでも取り繕ってしまう感じや、うまく気持ちを処理できずに酒や習慣に逃げたくなる夜ってありますよね。真面目に生きているつもりなのに、自分の弱さが突然あらわになる瞬間があって、そのたびに「なんでこうなるんだろう」とぼんやり落ち込む。あの感覚に説明がつかなくて、ただやり過ごすしかない時期があると思います。 『今夜、すべてのバーで』は、そこを正面から扱う小説です。アルコール依存の話ではあるけれど、描かれているのは「人はなぜ破滅を避けられないのか」という、もっと根っこの部分でした。自分と世界のどちらかに欠けているものがあって、そこを埋めるために間違った材料を選んでしまう感じや、酔いに身を任せる瞬間のほうが“利口”に思えてしまう心の流れなど、きれいごとを外して書かれているからこそ、読んでいて妙に落ち着くところがあります。依存を moral の話にせず、「人間は何かに寄りかかって生きる生き物だ」という視点に触れると、自分の弱さも少しだけ位置づけが変わるんです。 特に、自分をごまかしながら日々を回している実感のある人や、酒に限らず“逃げ場”をどこかで抱えている人には、刺さるところが多いと思います。読んだから劇的に改善する、というタイプの本ではないのですが、あのどうしようもない感情の正体に名前がつくと、それだけで息がしやすくなる夜があります。
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出版社による紹介
すべての酒飲みに捧げるアル中小説 「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」 それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。 ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、 ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、 親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ―― 実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、 吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
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