
心の科学史 西洋心理学の背景と実験心理学の誕生 (講談社学術文庫)
高橋澪子
Stefano Calicchio / 2020-08-02
この本について
最近、「心って結局どこまで科学で説明できるんだろう」とか、「心理学って哲学とどう違うのか」みたいなモヤモヤを抱える人、多い気がします。自分も仕事で心理学の概念を使うたびに、そもそもの土台がふわっとしている感じがして、落ち着かないまま過ごしていました。 この本は、その不安を一気に“片づける”というより、「なぜ自分がそこで引っかかるのか」を丁寧に言語化してくれる一冊でした。たとえば、心を“反応する身体”として扱いはじめた瞬間に何が失われたのかとか、実験心理学が哲学から離れた時に方法論と認識論のどちらが変わったのかとか、普段は背景に沈んでしまう前提がくっきり見えてきます。行動主義の登場を単なる流行ではなく、本質的な「意識革命」として扱っている点も、心理学を仕事に応用している人には刺さりやすいと思います。 読みながら、自分が無意識に“内と外”を分ける近代的な枠組みに乗っかったまま考えていたことにも気づかされました。今の認知科学や脳科学が、その枠組み自体を乗り越えつつあるという視点は、実務に引き寄せると「人の行動をどう理解するか」の見方を静かに揺らしてきます。 心理学の知識を使いながら、どこかで「これって本当は何を前提にしてる学問なんだろう」と感じている人に、特にしっくりくると思います。専門用語は多めですが、読んだあとに自分の思考の“土台”を少し作り直すような感覚が残ります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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