
特別支援教育 多様なニーズへの挑戦 (中公新書)
柘植雅義
中央公論新社 / 2013-05
この本について
学校現場にいると、「この子に今のやり方は本当に合っているのか」とか、「自分の判断は独りよがりになっていないか」といった不安がふと湧きませんか。問題行動が起きても、表に見える“型”だけを追ってしまい、何が原因なのかまでは手が回らないまま日々が過ぎていく。年度が替わるたびに方針がリセットされるような感覚を覚えることもあると思います。 この本は、そういうモヤモヤに対して、魔法の解決策ではなく、現場で一歩ずつ前に進むための視点を静かに示してくれます。例えば、行動を「型」と「機能」に分けて整理するだけで、子どもの責任だけにしない見方が自然と身につきますし、個別の指導計画を“設計図”であり“結果の記録”でもあるものとして捉え直すことで、担任が替わっても指導の流れが途切れにくくなる。さらに、特別支援教育が法的にも学校全体で取り組むべきものだという前提を押さえることで、自分だけが抱え込む状態から抜け出しやすくなります。 読んでいて感じたのは、特別支援教育は「一人一人のニーズを見ること」と「根拠に基づく指導」と「周りとの連携」がセットで成り立っているという当たり前のようで難しい話を、具体的な場面を通して教えてくれることでした。校内委員会の位置づけや、どこまで気にするかの線引きといった、現場で迷いやすいポイントにも丁寧に触れています。 特別支援に関わる以上、場当たり的にしたくないけれど、どう積み上げればいいか迷っている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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